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軒天パネリング(newsletter Vol.1)
パネリング | 2022.03.18
“軒天に使える羽目板を探しています”というお問い合わせをよくいただきます。
室内外問わず、使用する面積の多寡にかかわらずその空間や外観に温かみやインパクト、変化をもたらすことができるアイテムとして注目される木質のパネリング材。今回は特に軒天への使用に絞って書いてみたいと思います。
軒天に使用できる材料はなに?
これは非常によく聞かれる質問ですが、腐る・腐らない、を念頭に置いた質問であれば、何でもOK
ということになります(どんな樹種であれ腐ってしまうリスクは非常に小さいと思います)。
防カビ目的で(キシラデコールやノンロットといった)防腐塗料を塗っている場合が
ほとんどではありますが、もっとも耐朽性が低いとされるスギ白味(辺材)を使った事例は
そこかしこに見られます。
木材腐朽菌は、木材の含水率が20%前後になるあたりから繁殖します。
気温30度湿度90%の環境(例えば7月の梅雨の頃)であれば、木材の平衡含水率は
20-22%くらいですが(平衡含水率表参照)、数日間そのような環境が続いたとしても
直接雨に晒されない軒天材自体の含水率がそのレベルまで上がることはありません。
カビが発生してしまうことは十分に考えられますが、腐朽菌が活発に活動し
軒天材を蝕んでいくということはまずないと考えても良いと思います。
【平衡含水率表】
軒天材選びのポイント
年間を通して空調され温湿度の変化が比較的小さな室内とは違い常に外気に晒される軒天材は環境に応じて膨張と収縮を繰り返していますので地域の気候の特性と木材自体の寸法安定性にも目を向けることが重要です。
<木材の寸法安定性>
一般的に、針葉樹と広葉樹では、比重の軽い針葉樹の方が寸法安定性は高いです。乾燥させると節が抜けてしまうから、という理由で節ありのスギなどは含水率が高い傾向にあるのですが
そのような商品の場合は施工後に大幅に収縮していきます。(その結果、スギは動く!と誤解されがちですが実はそうではありません。)
また、寸法安定性が高い柾目材のみで作られたピーラーやレッドシダー、ベイヒバやヘムロックは、<針葉樹x柾目>ということで、寸法安定性が最も高いとされる商品です。
その中でも耐朽性が高いピーラー、レッドシダー、ベイヒバは、軒天に最も適した材料と言えます。
オーク、サーモアスペン、アルダーをはじめ、ブラックチェリーやイロコ、ロブレオーク等々広葉樹のパネリング材の寸法安定性は樹種によってまちまちです。
<広葉樹x板目・柾目ミックス>ということで、含水率の変化に応じた寸法変化は比較的大きいであろうと言えますが、商品の幅をやや狭く作ることで特に膨張による問題の発生が起きないように商品開発を行っています。
<地域の気候や施工場所の特性を考慮する>
湿った海風が常に吹き込むような環境や、雨が多く風も抜けにくい湿気がこもりがちな地域では
施工後の膨張が容易に想像できます。そのような場所においては、広葉樹より針葉樹
さらには柾目の材料を選ぶなどの判断が賢明かと思われます。
<その他留意点>
〇 接着剤(一液ウレタン)と釘の併用が理想ですが、接着剤を使用している現場は非常に少ないというのが現実です。材料の厚みや実形状、施工環境を鑑み、できるだけ保持力の高い釘を使用することが重要です。比較的動く材料・環境の場合は、特に注意が必要です。
〇 着色したい場合や、防カビ(撥水・防腐・防虫)目的のため(耐候性の高い)アルキド樹脂系のノンロットやキシラデコールで塗装することをお勧めしています。クリアーの場合は、紫外線吸収剤の影響であまり“濡れ色”にならないため、濡れ色感を出したい場合は別の塗料をご提案しています。
〇 南に面した場所では、軒天とはいえ照り返しによる紫外線の影響が小さくありません。サーモウッドは早く退色してしまいますので、着色塗装をお勧めします。
イロコパネリング80(デッキはマニルカラ)
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